薄毛や脱毛の悩みは、内服薬で治療できることをご存知ですか?病院で処方される代表的なAGA治療薬「プロペシア」について紹介します。

プロペシアについて

プロペシアと箱

プロペシアってどんな薬?

プロペシアは、米国メルク社が開発したAGA(男性型脱毛症)の内服薬です。「医師が処方するAGA治療薬」としては世界初の薬であり、現在世界60カ国以上で承認されています。なお、プロペシアとはメルク社の商品名であり、一般名は「フィナステリド」です。
プロペシアは、日本でも代表的なAGA治療薬として使われています。メルク社の日本法人であるMSD株式会社(旧:万有製薬)が、2001年から臨床試験を開始し、2005年10月11には、厚生労働省の製造販売承認を取得しました。そして、2005年12月14日から発売が開始されたため、日本国内で既に10年以上の使用実績があります。
日本国内で販売されているプロペシアは、「プロペシア錠0.2 mg」と「プロペシア錠1.0 mg」の2種類です。フィルムコーティングされたピンク色で丸い錠剤で、大きさはどちらも直径7.2 mm、厚さ3.5 mmとなっています。

有効成分

プロペシアの主成分及び有効成分は、「フィナステリド」です。
フィナステリドは、脱毛や薄毛を進行させる要因となる悪玉の男性ホルモンの生成を抑制することによって、AGA改善に作用します。
人の体内にはテストステロンという男性ホルモンがありますが、それ自体は、人体に害を及ぼす成分ではありません。ですが、テストステロンが頭皮の毛根付近にある5αリダクターゼという酵素と結びつくと、DHT(ジヒドロテストステロン)という成分に変化します。このDHTが髪の毛の元となる毛母細胞の受容体と結びつくと、毛髪を退行期あるいは休止期に移行させるシグナルが出されるため、髪が抜けてしまうのです。
フィナステリドは、毛根付近にある5αリダクターゼの働きを抑制することによって、脱毛の原因となるDHTの生成を抑え、AGA改善に働きかけます。
なお、フィナステリドは、日本皮膚科学会の「男性型脱毛症診療ガイドライン」において、Aランク(行うよう強く勧められる)の治療法に分類されています。

効果・効能

プロペシアは、AGAの主な原因物質である、DHTの生成を抑制し、男性型脱毛の進行遅延作用を示します。具体的には、ヘアサイクルを正常化することにより、次のような効果・効能が得られます。

  • 髪の抜け落ちを防ぐ
  • 髪の成長期が長くなるため、髪が太くなり、コシが出る
  • 休止期の毛穴が目覚め、発毛する

【治療期間と効果の目安】
服用開始~3カ月……抜け毛が減る。生え際にうぶ毛が目立ってくる。
4~6カ月……うぶ毛が太くなり、伸びてくる。周りの人が気づくほど、薄毛が目立たなくなり始める。
6カ月~1年……髪のボリュームを感じる。後退していた生え際が前進してくる。
1年~3年……薄い部分の面積が減り、改善部位が広がる。
4年以降……改善した髪が維持される。

なお、日本国内の臨床試験では、プロペシア1 mgを1日1回、3年間投与することにより、約98%が頭頂部の薄毛を改善あるいは現状維持できたというデータがあります。

注意点

プロペシアを服用できるのは、成人男性のみです。
なお、プロペシアは、AGA(男性型脱毛症)の治療薬ですので、ストレスなどによる円形脱毛症や、抗ガン剤治療に伴う脱毛症などには適用されません。

また、次の条件に当てはまる人は、プロペシアの服用において注意が必要です。

前立腺がん検査を受ける予定がある

プロペシアの成分が前立腺がん検査で測定するPSA値を約50%低下させるため、測定した値を2倍に変換する必要があります。そのため、プロペシアを服用しているときは、検査を担当する医師に報告することが大切です。

肝機能障害がある

有効成分のフィナステリドは肝臓で代謝されるため、プロペシアを服用すると、肝臓の酵素が上昇する可能性があります。肝機能障害がある人は、プロペシアを処方する医師に相談しましょう。

副作用

プロペシアの主な副作用として、「性欲が減退する」「陰茎の勃起力が弱まる」などが報告されています。ですが、国内の臨床試験によると、その発現率は1.0%未満です。
そのほか、食欲不振、全身けん怠感、皮膚や粘膜が黄色くなる(肝機能障害)などの症状が現れることがあります。
これらの副作用に気づいた場合は、プロペシアの服用を中止して、医師か薬剤師に相談することが大切です。

プロペシア処方の流れ

ボトルに入ったフィナステリド錠

プロペシアは、国内の病院で処方してもらうことができます。
なお、AGA治療専門クリニックや男性専門外来クリニックなら、初診でも、所要時間は最短10分です。

1.受付

AGAの治療専門クリニックや男性専門外来クリニックなら、大抵の場合、予約なしで直接来院できます。なお、プロペシアの処方は保険適用外となるので、保険証は不要です。

2.問診票に記入

受付で問診票を渡されますので、待合室で記入します。内容は、アレルギーの有無、現在治療中の病気、服用中の薬などです。

3.医師による問診・診察

担当医が問診・診察を行います。診察と言っても頭髪の状態をチェックする程度ですので、10分程度で終わります。その後、プロペシアの説明を聞き、わからないことや不安な点を質問することができます。

4.薬の処方

問診・診察が終わったら、薬は院内処方ですぐに受け取れます。プロペシアは1セット28錠(約1カ月分)からの処方です。希望のセット数を購入でき、購入数によって単価が安くなることもあります。

5.次回処方

再来院についても予約は不要ですので、都合の良い日に処方を受けることができます。

プロペシアを正しく安全に服用するために

脱毛イメージ

服用は1日1回

プロペシアは、1日1回、医師に指示された量を服用しましょう。服用量は年齢・症状によって異なりますが、1日1 mgが上限です。なお、飲み忘れに気がついたからといって、一度に2回分を飲んではいけません。必ず1日1回分を守りましょう。

最低6カ月は継続する

プロペシアは、早ければ3カ月程度で効果が出ることもありますが、原則として6カ月以上服用しなければなりません。また、途中で服用をやめるとAGAの症状が進行してしまうので、自己判断で中止することなく、継続して服用することが大切です。

自分以外の人にあげない

プロペシアは、処方された本人以外の人が服用してはいけません。特に、未成年については安全性が確認されていませんし、女性には効果が認められていないので、飲ませたり誤飲したりしないよう注意しましょう。

妊娠中あるいは妊娠の可能性がある女性に触れさせない

妊娠中の女性がプロペシアを服用すると、男子胎児の生殖器官などの発育に悪影響を及ぼす恐れがあります。ですから、妊娠中の女性や、妊娠の可能性がある女性には、絶対に服用させてはいけません。なお、錠剤が割れて成分を吸い込んだだけでも影響を受ける危険があるので、女性には極力プロペシアに触れさせないようにしましょう。

献血しない

プロペシアを服用中に献血すると、プロペシアの成分が輸血を通して妊娠中や授乳中の女性の体内に入る恐れがあります。ですから、プロペシアの服用を中止してから1カ月以上経過するまで、献血をしてはいけません。

錠剤を割らない

錠剤を割って使った場合、プロペシアの効果の安全性や有効性は保証されません。
また、前述のように、錠剤を割ることで成分が飛び散ると、妊娠中の女性の体内に入るリスクが高まるので、プロペシアは絶対に割らないようにしましょう。

プロペシアに関するQ&A

検査のイメージ

プロペシアを使ったAGA治療について、よくある質問と解答を紹介します。

いつ服用すればいい?

プロペシアは食事に影響されませんので、いつ服用しても構いません。飲み忘れを防ぐためには、「朝食後」「寝る前」など、自分が飲みやすい時間を決めて、毎日同じ時間に飲むと良いでしょう。

効果が出るまでどのくらいかかる?

治療効果は、抜け毛が減少したかによって判断されます。その判断ができるまでには通常6カ月ほどかかりますが、早い人なら服用3カ月で抜け毛の減少を実感する場合もあります。

頭皮に付けるタイプの育毛剤や発毛剤と併用できる?

これまで、頭皮に付けるタイプの育毛剤や発毛剤とプロペシアを併用して、問題が生じたという報告はありません。

風邪薬と併用してもいい?

これまで、ほかの薬とプロペシアを併用して、問題が生じたという報告はありません。ですが、互いの作用を強めたり弱めたりする可能性はゼロではないので、ほかの薬を服用したいときは、医師か薬剤師に相談しましょう。

髪が増えて満足したら、プロペシアの服用をやめてもいい?

プロペシアの服用をストップすると、半年経った頃から脱毛が再発することが多いようです。自己判断で服用を中止するのではなく、医師に相談しましょう。

プロペシア服用者の体験談

薬の表裏

「面倒くさがりの自分には、プロペシアが一番」 (20代男性)

最初に薄毛を自覚したのは、25歳の頃です。
スカルプケアをしたり、育毛剤を使ったりしてみたんですが、もともと面倒くさがりなもので、続かないんですよね。効果があるかの判断すらできないまま、やめてしまいました。そんなとき、同僚から「飲むだけで薄毛が治せる薬があるらしい」と聞いて、プロペシアの存在を知りました。
正直、最初は危ない薬じゃないかと心配しました(笑)。でも、プロペシアは厚生労働省が販売を認めている薬だし、専門の病院で処方されていると聞いたので、試してみようという気になったんです。
幸い、通勤途中の駅にプロペシアを処方している病院があることを知って、会社帰りに寄ってみました。予約不要なので気軽に行けるし、薬を受け取るまで15分くらいですんだので、仕事で忙しい人でも通いやすいと思いますよ。
それからは、毎朝起きたらプロペシアを飲むようにしています。育毛剤を付けるよりずっと簡単なので、楽に続けられました。3カ月くらい経った頃、髪を洗うときの抜け毛が減ってきたことに気づきました。半年経った今では、頭頂部の薄くなっていた部分が目立たなくなり、髪が太く濃くなってきています。
どんな薄毛対策でも続けることが大事だと思うんですが、その点、プロペシアは1日1錠を飲むだけなので、本当に続けやすいです。それで確かに効果が出てきているので、本当に助かっています。

「遺伝だからと諦めないで良かった」 (30代男性)

30歳のとき、久しぶりに会った親戚から「おまえも薄くなってきたな」と言われました。うちは祖父も父も頭が薄く、兄も三十代半ばで前髪がかなり後退していました。だから、薄毛は遺伝だなと、覚悟はしていたんです。でも、実際に人に指摘されるほど薄くなったのかと思うと悔しくて、「たとえ薄毛家系であっても、自分だけは髪を維持したい!」と強く思いました。それで、AGA治療を行っているクリニックを受診したんです。
診察のとき、先生に「薄毛は遺伝だと思うんですが、治るんでしょうか」と尋ねました。すると先生は、プロペシアは薄毛の原因となる悪玉男性ホルモンの生成をブロックするから、高い治療効果が期待できることを丁寧に説明してくれました。実際、プロペシアでAGAを克服した人の中には、私のように薄毛家系で悩んでいた人も大勢いると聞いて、とても心強くなりました。薄毛の悩みというのは、他人には相談しづらいし、家族や親戚は「遺伝だよ」と笑って相手にしてくれないので、先生が誠実に対応してくれたことが、とても嬉しかったです。
プロペシアの効果は、期待していたほど早くは出なかったのですが、4カ月目くらいから、生え際にうぶ毛が生えてきました。徐々に生え際が前進してきて、若返って見えてくるのが本当に嬉しかったです。
1年ぶりに親戚に会ったら、「なんで髪が増えたんだ」と驚かれてしまいました。私の変化を見て、今では兄もプロペシアを始めています。

「アクティブに老後を過ごせそうです」 (60代男性)

定年後、妻と趣味の旅行を楽しめる機会が増えました。ところが、妻に突然「発毛治療を受けてみてはどうか」と勧められて驚きました。どうも、旅行中、髪の薄い私と並んで歩くのが恥ずかしかったようです。「この年で薄毛治療なんて」と思ったのですが、妻は病院まで調べて準備してくれていたので、治療を受けることにしました。
病院で先生に聞いてみると、最近は、50代や60代で薄毛治療を受ける人も少なくないそうですね。薄毛の原因が加齢である場合は治すのは難しいかもしれませんが、AGAの場合は、年齢にかかわらずプロペシアで改善できると聞いて驚きました。
プロペシアを飲み始めて最も実感したのは、髪が太くなり、コシが出てきたことです。髪が濃くなると、今までは薄毛というだけでどれだけ老けて見えていたかがわかります。旅行の写真を見ると、去年より今の方が10歳は若く見え、妻も喜んでくれています。プロペシアのおかげで、老後も夫婦で楽しく過ごせそうです。