ミノキシジルの外用薬は、内服薬よりも副作用の程度は弱い薬です。その理由は、外用薬の有効成分が作用する仕組みが関係しています。まずミノキシジルがどのような薬なのか簡単に説明した後、その副作用について解説します。

ミノキシジルの外用薬はどのような薬?

ミノキシジルは、医学的に発毛と育毛効果が証明されている医薬品です。日本皮膚科学会が定めるAGA診療ガイドラインでは、ミノキシジルの外用薬は男女の薄毛治療において第一選択薬として推奨されています。

ミノキシジルが発毛剤として開発された背景

ミノキシジルに発毛効果があると確認されたのは、1979年頃です。アメリカのアップジョン社(現Johnson&Johnson社)が、高血圧の患者を対象に血圧を下げる薬として研究されたのが、ミノキシジル開発の始まりです。その研究過程で、ミノキシジルを投与した患者に髪や体毛が濃くなる症状が発見されたことをきっかけに、薄毛に有効な成分として見直されました。現在、日本では発毛剤としてミノキシジルの外用薬が取り扱われています。

ミノキシジルの発毛効果

ミノキシジルは、乱れたヘアサイクルを正常に戻します。
人の髪は「早期、中期、後期の成長期(2~6年)」に伸び、「退行期(2~3週間)」に成長が止まり、「休止期(数か月)」を経て抜け落ちます。この周期のことをヘアサイクルといいますが、AGA(男性型脱毛症)になるとヘアサイクルが乱れ、本来は2~6年ある成長期が数か月ほどで終ってしまいます。
ヘアサイクルが乱れる原因がDHT(ジヒドロテストステロン)です。DHTは細胞の分裂に関係する毛母細胞に作用し、髪の成長を遅らせます。ミノキシジルは、頭皮の血行を促し毛母細胞の分裂を活発化させることで、DHTによって乱れたヘアサイクルを正常に戻し、髪を生やします。

ミノキシジルの外用薬を使用したときに現れる副作用

内服薬と外用薬 副作用の程度の違い

ミノキシジルの外用薬にみられる副作用は、内服薬と比べて程度が弱いと言えます。なぜなら、外用薬と内服薬とでは作用の仕方が異なるからです。内服薬は、体内で消化されるとその成分が血流にのって全身に行き渡るため、副作用が強く現れます。
対して、皮膚に塗って使用する外用薬は皮膚の間にゆっくりと浸透するため、内服薬ほど副作用の頻度は高くありません。また、外用薬は使用した部位とその周辺にのみ作用するため、内服薬のように全身に副作用が現れることはほとんどありません。

使用後に現れやすいミノキシジルの副作用一覧

ミノキシジルの外用薬は、内服薬に比べて副作用の程度が弱いとはいえ油断はできません。薬を塗布した後に、皮膚や血圧、心機能に関する症状が現れることが確認されています。以下では、ミノキシジルの外用薬にみられる主な副作用を紹介します。

外用薬ミノキシジルの副作用一覧

・皮膚に関連する副作用:発疹、発赤、かゆみ、かぶれ

・血管、血圧に関連する副作用:頭痛、めまい、ふらつき、立ちくらみ

・心機能に関連する副作用:動悸、息切れ、むくみ、急激な体重増加

もともと、ミノキシジルは血圧を下げる薬として開発されていたため、その副作用は血圧に関連するものが中心です。また、皮膚に塗って使用することから、使用した部位のかゆみやかぶれといった、副作用もあります。心機能に関する副作用の頻度はとても低いですが、発症率0ではありません。ミノキシジルの外用薬を使用して、上記で紹介した副作用が現れた場合は、一度使用を中止して医師に診てもらいましょう。

ミノキシジルの副作用が起こる仕組み

次は、どのような仕組みでミノキシジルの副作用が起こるのかを解説します。

血管の拡張による副作用

ミノキシジルには、血管を拡張して血流を改善する作用があります。皮膚の近くにある血管の周りにはかゆみを感じる神経があり、ミノキシジルによって拡張した血管が触れることで、かゆみを生じます。
また脳に近い血管が拡張すると、痛みを感じる神経に触れて頭痛が生じることもあります。

血圧の低下による副作用

ミノキシジルによって血管が拡張すると、血圧が下がります。血圧は、身体の高い位置にある器官に血液を届けるために重要ですが、ミノキシジルによって血圧が下がると脳への血流量が一時的に低下します。そのときに起こる副作用がめまい、ふらつき、立ちくらみです。この副作用が生じる仕組みは、急に立ち上がったときに起こる立ちくらみと同じなので、それほど心配する必要はありません。

添加物による副作用

ミノキシジルには水に溶けにくい性質があるため、外用薬を製造するときにエタノールが使用されます。そのため肌が弱い人やお酒が弱い人は、頭皮の発疹、発赤、かゆみ、かぶれといった副作用が現れることがあります。

ミノキシジルの副作用の対処法

副作用のなかには、ちょっとした工夫でその症状を抑えることができるものがあります。

頭皮のかゆみ

ミノキシジルによる頭皮のかゆみは、拡張した血管がかゆみを生じさせる神経に触れることが原因です。血管は温度が下がると収縮するという性質があるため、あまりにかゆみがひどい場合は頭部を冷やしましょう。ただし、冷たいタオルなどを使うと、せっかく塗布したミノキシジルの成分がタオルに吸われてしまうので、頭皮を冷やす場合は部屋の温度を下げる、冷たい風を当てるなどすると良いでしょう。

めまい、ふらつき、立ちくらみ

ミノキシジルによって血管が拡張すると脳への血流量が減少し、めまい、ふらつき、立ちくらみといった副作用が生じます。めまいや、たちくらみは転倒の危険があるため、ミノキシジルを使用した後は、なるべく椅子などに座って5分ほど安静にしましょう。また、座った状態から立ち上がるときは、ゆっくりとした動作をとることで、めまいやふらつきを防ぐことができます。

 

ミノキシジルの外用薬が向いている人

ミノキシジルには外用薬と内服薬があります。そこで、外用薬の使用に向いている人を紹介します。

肌が敏感でないない人

ミノキシジルに含まれるエタノールは頭皮に対して刺激性があるため、ミノキシジルの外用薬は肌が敏感でない人に向いています。肌が敏感な人は、ミノキシジルによってかゆみが生じ、寝ている間に頭皮を掻いてしまいます。すると、頭皮が傷つき炎症を起こす可能性があります。肌が敏感な人は、爪を短くして頭皮を傷つけないようにしましょう。

副作用のリスクを低くしたい人

外用薬のミノキシジルは使用した部分にのみ効果を発揮します。一方で内服薬は血流にのって全身に運ばれるため、頭部以外にも作用します。そのため、少しでもミノキシジルの副作用を抑えたい人は、外用薬のミノキシジルが向いていると言えます。

安全に使用するために副作用を学びましょう

外用薬のミノキシジルが内服薬よりも副作用の程度が弱い理由は、部分的に作用するか全身に作用するかの違いです。ミノキシジルの副作用の症状は、皮膚、血管、血圧そして心機能に関連しています。
ミノキシジルの副作用である頭皮のかゆみ、めまい、ふらつき、立ちくらみは自分である程度対処できますが、それでも「副作用が気になる」「なるべく副作用を減らしたい」という人は、内服薬ではなく外用薬のミノキシジルを使用しましょう。